三野芝生中央団地は、三好市三野地区中央に位置し、県道12号から南側の住宅団地の先端にある比較的に交通の便の良い立地です。その恵まれた立地条件は活かしつつ、北側へ配置した共用廊下にはアルミルーバーを設けることで、柔らかく視線を遮りながら、光と風を取り込む計画としました。逆に、住戸のリビング・ダイニングは全て南向きとし、バルコニーからは南の吉野川に向かって緩やかに下る周辺敷地への開けた眺望を確保します。
共用廊下への動線には、車椅子利用者から子どもまで誰でも利用出来る広いスロープを設けています。
さらに住戸内の床は極力フラットな形状としつつ、適所に手摺を設けたユニバーサルデザインとしました。
外装には、公共施設としての維持管理に配慮して、長期にわたって優れた耐候性を保持できるアクリル系高弾性塗装をメインとしています。その塗装のアイボリー色を基調色としつつも、団地の南側に建つ市立三野病院の外壁色に合わせた橙色系をアクセント色として採用しました。そうすることで周辺環境との調和を図り、美しい街並みを形成することを目指しました。
この公営住宅が、高齢者が安心して暮らせる町、若者が住み続けられる町としての「まちづくり」に長年に渡って貢献出来ることを願っています。