むかしむかし、あるところに…。
こんな書き出しで始まる絵本は、最近あまり見かけないのですが、
最近では某携帯会社のCMなどでも、昔話をモチーフにしておもしろいですよね。
毎晩、息子を寝かしつけるため、いろいろな絵本を読んでいるのですが
ちょっとズルしてページを飛ばしてみたり、文章を省いて読んだりすると、
「違うよ!」っと、見破られてしまうことには驚かされました。
私の方は、同じ本を何度も読んでいるのに、
ストーリーを覚えてしまう事は無いばかりか、
途中で夢の中に一緒に引き込まれることもしばしばです…。
昨今、絵本限らず、雑誌や新聞、漫画に至るまで電子書籍がすごい勢いで世間に浸透しました。
電子書籍のほうが、収納場所も取らず、持ち運びも便利なのは分かるのですが、
紙媒体のほうに馴染みがあるので、いずれは無くなってしまうのではないかと心配になります。
本屋さんや図書館までもが無くなってしまうと、何故かトイレに行きたくなる不思議な感覚は、
味わえなくなってしまうのではないのか…?!
そもそも、立ち読みすら出来なくなりますよね…。
将来、電子書籍館なる建物が出来てしまったりする日もそう遠くないのかもしれません。
すでに建築業界でも、3次元設計が使いこなされ、設計図面はもとより、3D模型や解析、イメージパースの発達により
建てなくても、地震が起きなくても、燃やさなくても等々、様々な分野での研究にも応用されています。
存在していない新国立競技場がでかすぎるのかどうなのかだって、誰にでも議論できる所まで来ています。
その事が好い悪いではなく、すごいスピードで変化している時代の真っ直中を体験しているのだろうなと感じています。
ついて行くのがやっとで楽しめていませんが…。
「手紙」はいまやメールの時代です。
「音楽」を作るのに楽器は入りません。
「お金」までもが電子化の時代です。
これはもう「建築」自体が、電子化されないなどとは、言えないのかもしれません。
むかしむかし、あるところに建物というものがありました…。
そんなお話しだけは、フィクションであって欲しいものです。
By 腹ぺこ碧ムシ