昨年の話になりますが、休日を利用して岡山県の旧閑谷学校に行ってきました!
閑谷学校は1670年に岡山藩主の池田光政が設立した学校です。庶民の為の学問所で、当時としてはとてもめずらしい施設だったようです。
敷地に近づくと、山の谷間に出来た自然の平地に堂々と佇む講堂が見えてきました。建物の素晴らしさはもちろんですが、全体的な景観計画に見とれてしまいました。
石塀の向かいにある、ふっくらした芝生の岡は火除山といって火災の延焼防止効果を考えて設計されています。やはり昔から建物と火災の問題については、建築技術者が試行錯誤して改良を重ねていったのでしょうね。
講堂の内部に入ってみると、昔の講義室である大空間に驚かされました。この時代にこれ程の建築が可能とは、日本の木造建築技術を誇りに思います。それと同時に、この厳粛な講堂で学問に励んでいる当時の子供達を思い浮かべると精神までしっかりと鍛錬されていたのではないかと想像します。少なくとも私は真冬にこの講堂で講義を受ける精神力はありません(笑)。当時の人々に負けないよう精進したいものです。
ディティールに関しては、個人的に大きな火灯窓が印象的でした。細部にこだわった美しさがあるように思われます。それが内部空間を更に印象深いものに引き立てています。
平屋建て入母屋屋根に備前焼瓦が栄えます。私の下手な写真では伝わり辛いかもしれませんが、この意匠設計、景観デザイン、カラーバランスとどれをとっても一級品です!このような建築設計を出来る様になりたい物です。
この他にも、谷を流れる小川や資料館、神社等、見所満載です。皆さんも是非立ち寄ってみてください。
by 山籠もり