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     2019年12月31日  K.Fujikawa      

   

阿南市立大野公民館の落成式

 弊社で設計監理をさせていただいた、阿南市立大野公民館が無事完成しました!基本設計、実施設計、工事監理と約3年間係わってきたプロジェクトだけに、喜びもひとしおです。

 老朽化した旧公民館の建て替えで、同じ敷地内での建築計画でした。基本設計では、館長さんに意見をいただき、配置や動線を大きく見直して、土地利用の効率化や公共建築物としての建物の開放性を考えて計画していきました。実施設計では、設計工期や工事予算の調整で行き詰まりかけていたところ、阿南市役所の担当職員の方に的確なアドバイスを受けて、予定範囲内に納めることができました。これには、本当に助けられましたし、仕事の進め方に関して勉強にもなりました!工事監理では、工事業者さんと協力しながら、設計時よりも更に良い建物にしようと試行錯誤を重ねました。僕が現場に行けない時には、他の事務所スタッフに現場を見てもらいました。遠方の現場だったので、かなり大変だったと思います。

 つまり、相当周りからのフォローをいただいた業務でした!笑 しかし、自分の考えが反映出来なかったかと言うとそんなことは無くて、自分自身の思い入れも詰まった建物になりました。やはり建築は皆の力で創り上げていく物だと改めて感じた次第です。

 完成後には、落成式に招いていただきました。ありがたいことです! 落成式の中で餅投げをすると聞き、「今時めずらしくて、楽しそうだなぁ」というくらいに思っていたら、なんとウイングトレーラーから大量の餅を投げるビッグイベントでした。誰でも参加可能で、ほとんど周辺住民の方だった様です。更に驚いたのは、市長や来賓に混ざって、僕も餅投げる役をいただいたことです!

 今まで、自分が携わった建物が、完成後にどの様に使われているかを見せてもらう事は何度もありました。しかし今回の落成式で、発注者や工事者など一部の人から離れ、不特定多数の公に使われ出す「今まさに!」の瞬間を目撃したのは初めてでした。恥ずかしながら、人知れず涙したのでありました(´ε` )

 本当に、ありがたく貴重な経験をすることが出来ました。

 

【外観】

正面の風除室屋根は、半円錐形状で覆われています。傘の中に入っていくような安心感のある入口として、周辺住民の誰もが立ち寄りやすくなるデザインとしました。

 

【エントランス】

内部階段は、圧迫感を無くすためにスリットを多用しています。踏面や手摺には、木材を利用して暖かい印象としています。また、階段吹抜部には大開口のガラス面を配し、外と中のどちらからも繋がりが感じられる空間としました。

 

【学童】

こども達が楽しくなるような、円形や多角形を随所にちりばめています。内装は、木目や白を基調にした清潔感のある仕上げとしました。

 

【和室】

和室は多目的に利用できるよう、シンプルな作りとしています。また、大ホール控室(ステージ後方)と裏導線で繋げているので、大ホール利用時の控室としても利用可能な動線計画としています。

 

【大ホール】

木を基調とした落ち着いた空間としています。腰壁の木は出入りのあるパターン張りとして、着座時の目線からも木の美しさが感じられます。また、天井は緩やかなアールを設けることで、上部からの圧迫感を低減しています。

 

【遠景】

周囲の田畑や住宅地に馴染むよう、周辺色彩から突出しない色使いとしています。

 

【落成式】

大勢の人々に利用される、まさにその瞬間!